What's?のページは、しばらくは「“何”でも箱」ということにして、アップしたいことをアップします。
『ユビキタスシティおおさかシンポジウム』で知ったこと
2月5日(木曜日)、大阪中央公会堂で開かれた「ユビキタスシティおおさかシンポジウム」に行ってきました。ユビキタス(Ubiquitous)とはラテン語で「遍在する(どこにも存在する)」という意味。インターネットにどこでもつながることができる程度の理解で、会場に向かったのでしたが、果たして。

結論から、そして興味中心に書くと、次の4つに集約されます。
・これからもやはり携帯電話。これがどのように進化するか。
・交通カードと一体化したIDカード
・0.4ミリのICチップが拓く未来
・ユビキタスはIPv6が支える

携帯したいすべてをひとつに、という野望
携帯電話といってもあくまでもNTTdocomoの話ですが、3社とも大差はないと思われます。特に面白かったのが、ユビキタスとは関係ないですが、AUの「着メロ」に対抗し「着モーション(着メロ+モーション)」というのを出てくるという話。
それと、数年後には100メガの通信ができ、現在のブロードバンドより早くなるそうで、インターネット接続がいよいよパソコンに近付き、そうなるとパソコンを持ち歩かず、キーボードと画面と携帯だけあれば、サーバーのCPUを使って、現在のノートパソコンと同様のことができるようになるそうです。
ほかに、携帯電話による決済、証明書(ID)機能なども話題になりましたが、GPS機能は位置を表示するのに30〜40秒かかる(現在)というのが、一番印象に残ってしまいました。

本当に便利なのか、ICカード
ICカードとは、ユビキタス社会が実現する「どこでも、いつでも、だれにでも」という利便性に反して、「ここだけ、いまだけ、あなただけ」というサービスを実現するためにこそある、というのが、説得力があったというか、印象的でした。
日本人に馴染みのないID(自己証明)カードをデジタル化し、交通カードと一体化することで多くの人に持ってもらえると考えているようです。でもその前に、あまりにも種類の多い交通カードを統合することの方がありがたい、という指摘がパネリストから。ICカードはプライバシー保護やセキュリティの観点から、「どうなんだろう」という半信半疑状態が常につきまといますが、「あなただけ」サービスがほしい人しか要らないものなら、個人的には要らないなーというのが感想です。

超小型ICチップを指先に埋め込めば
すでに夜11時からのワールド・ビジネス・サテライトで紹介されたらしい「ミューチップ」という0.4ミリ四方の超小型無線認識用ICチップは、さまざまな利便性をもたらすそうです。
商品のひとつひとつに埋め込めば、物流や商品管理がリアルタイムかつ正確になります。さらにショッピングでは、無人レジを通ると1秒で合計金額が現れ、デジタル決済と併用すると、高速のETCのようなノンストップ・ショッピングを実現。
これを指先に埋め込めば、カードなしのデジタルIDとしても利用可能という話に、国民総背番号制が頭をよぎりましたが、現在の価格1個数十円〜数百円(能力によって差がある)が、もう1桁安くなると、爆発的に普及するだろうとのこと。
さらに、ミューチップは、薬品の品質保持期限管理や、リサイクル、廃棄物管理などにも利用が期待されているそうです。ちなみにミューチップは日立製です。

IPv6が支えるユビキタス社会
IPv6とは現在インターネットで使われているIPv4というプロトコルの新バージョンで、「v」はバージョンの略。v4で不足してきたIPアドレスを飛躍的に増やすv6によって、さまざまなところにIPアドレスを割り振ることができます。ミューチップなどの無線IDタグによって「物がしゃべる」ことができるとすれば、IPv6はそれをキャッチして情報処理するネットワークシステムのコア。二つを組み合わせて使うことで、お店で商品を見て携帯端末で指定するだけの「買い物カゴなしショッピングシステム」なども可能になります。2月9日〜22日まで、難波パークスで『歩行者ネット天国』という実証実験が行われるそうです。(行って、見て、体験して、またご報告します。)
このIPv6は、物と物との通信を実現し、人が意識して操作するのではなく、物が連携して最適な動作をするというシステムを実現し、たとえば松下電工ではホームオートメーションに採用し約30%の省エネを達成したそうです。

ユビキタス社会とは、高度に情報化された環境。そんな印象でした。